筑波山 斜面温暖帯の紹介 -筑波山でみかん狩り-


筑波大学 大気科学分野 およびClimate研究室では、筑波山をフィールドとした気象観測を通して、筑波山に現れる斜面温暖帯の研究を行っています。
詳しいご案内は こちら (植田宏昭, 2008: 環境教育の現場ー斜面温暖帯の観察ー, 筑波大学環境報告書2008, 34-36.)

筑波山山麓でのみかん栽培

 筑波山西麓に位置する酒寄地区では、標高150m付近を中心に観光みかん園が広がり、毎年10月中旬から12月下旬にかけてみかん狩りを 楽しむことができます。筑波山は、みかん栽培の北限として知られていますが、その栽培を可能にしているのは、まさに「斜面温暖帯」 の存在なのです。斜面温暖帯は山という地形条件と接地逆転 や冷気流・冷気湖などの気候学的な条件と密接に関係しています。人々は 古くから経験上その事を知っており、ミカンなどの暖地生作物の栽培を行っていたのです。


ふくれみかん(福来蜜柑)

 温州みかんの生産の北限地筑波山。そこでとれた、地域独特の福来蜜柑(ふくれみかん)。見ていただければわかるように、2〜3センチの 小さなミカンです。江戸時代から栽培されており、普通のみかんに比べると味が濃く、酸味が強いのが特徴です。地元の七味とうがらしには、 このふくれみかんの皮を乾燥させて粉にしたものが使われていて、とてもいい香りがします。

 さあ、みかん狩りにでかけよう!

交通案内


筑波山山麓 つくし湖周辺に数軒のみかん園があり、秋になるとみかん狩りを楽しむことができます。

マップ (PDF)
酒寄果樹園
〒300-4413 茨城県桜川市真壁町酒寄1967-1
アクセスの詳細: 桜川市観光協会 酒寄みかん

みかん狩りの期間:10月中旬〜12月下旬
入園料:大人300円(中学生以上) / 子供200円(園児以上)
持ち帰り:300円/kg
品種:温州みかん、ふくれみかん
交通:常磐道 土浦北ICから約40分

連絡先:酒寄みかん園(酒寄光司) 0296-55-4334
桜井農園(桜井操) 0296-55-4328
みなみ蜜柑園(酒寄宇市) 0296-55-4332

桜川市観光協会 酒寄みかん
桜井農園へようこそ
みなみ蜜柑園のホームページへようこそ

みかん栽培と斜面温暖帯



サーモグラフィで捉えられた斜面温暖帯(Ueda et al. 2003 JMSJより)

 筑波大学の大気科学分野及び気候システム研究グループでは、筑波山西側斜面において集中観測及び 年間を通した観測を行ってきました。
 筑波山の中腹おおよそ70から370メートル は気温逆転が起こる地域にあたり、特に170から270メートル付近はふもとよりも気温が3から4℃ほど高い領域がベルト状にあり、斜面温暖帯と呼ばれています。また斜面温暖帯の高度は斜面の向きによって異なり、西側すなわち関東平野側で高く、八郷側(柿岡盆地)側の方が低いという特徴があります。
 斜面温暖帯での気候学的な特徴を生かし、この一帯では古くから在来種のフクレミカンの栽培が行われ、近年においては観光を主目的とした温州みかんの栽培が盛んです。温州みかんの栽培限界の気候条件は、冬季に極低温 (零下8℃以下)が発生しないこと、年平均気温が15℃以上あることとされています。筑波山の温暖帯はぎりぎりこの条件を満たしており、房総半島や伊豆半島の気候特性に似ています。
 2008年には筑波大学および大学院の授業の一環として、総勢30数名による筑波山東西南北4斜面での通年気温観測を実施し、斜面ごとの温暖帯の標高や出現頻度について調査を行いました。詳しい結果は「研究成果・アウトリーチ」をご覧下さい。

写真


観測測器を設置させて頂いている酒寄みかん園でみかん狩り。
筑波大学 生命環境学群 地球学類の実習の一環で。


(左)みかん狩りの様子。獲れたみかんは食べ放題、(右)持ち帰り(300円/kg)もできます。

研究成果・アウトリーチ



テレビ朝日報道番組の取材に応じる植田教授(2010年12月)

<筑波山 斜面温暖帯>

  • Ueda, H., M. Hori, D. Nohara, 2003: Observational study of the thermal belt over the slope of Mt. Tsukuba. J. Meteor. Soc. Japan, 81, 1283-1288. [PDF]
  • 堀 正岳,植田宏昭,野原大輔, 2006: 筑波山西側斜面における斜面温暖帯の発生頻度と時間変化特性. 地理学評論, 79, 26-38. [PDF]
  • 植田宏昭, 2008: 環境教育の現場 -斜面温暖帯の観察-, 筑波大学環境報告書2008, 34-36. [PDF]
  • 植田宏昭・小塙祐人・大庭雅道・井上知栄・釜江陽一・池上久道・竹内 茜・石井直貴, 2011: 筑波山の東西南北4斜面における高度 100m 間隔での通年観測 -斜面温暖帯に着目して-. 天気, 58, 777-784. [PDF]

<筑波山山頂 観測ステーション>

  • Hayashi, Y., and Research Group for Intramural Project, 2006: Meteorological Observation Station at the summit of Mt. Tsukuba. Tsukuba Geoenviron. Sci., 2, 19-24. [PDF]
  • 2008, あしたの天気は誰が見る揺らぐ「ニッポンの気象観測」, 林陽生ほか, 2008, 日経マガジン, THE NIKKEI MAGAZINE, No. 60, 2008年9月21日号. [PDF]
  • 2010.12.03 TV朝日 報道局ニュース情報センター やじうまテレビ! マルごと生活情報局出演「筑波山の斜面温暖帯とみかん栽培」

<地球温暖化と山岳観測>

  • 中津留高広・林 陽生・上野健一・植田宏昭・辻村真貴・浅沼 順・日下博幸, 2011: 筑波山(男体山)の過去100年間における気温の長期変化. 天気, 58, 1055-1061. [PDF]

お問い合わせ


筑波大学 生命環境系 教授 植田宏昭

リンク


桜川市観光協会 酒寄みかん

筑波山ケーブルカー&ロープウェイ

筑波大学 計算科学研究センター 筑波山プロジェクト

筑波大学 大気科学分野 気候システム研究グループ 植田・釜江研究室