地表面における人間活動が創りだした空間的特性を自然環境との関わりを含めて総合的・系統的に研究することを目的とする.都市,農村,社会・経済活動,交通,環境と人間などの諸課題に対し,野外での臨地調査に基づく実証的な手法を中心に,統計的分析や資史料の検討を通して多面的に研究を進めている.
国際秩序の再編,技術革新の進行等の諸要因が作用する下,現代の経済社会における地表空間利用の変動とそれに伴う諸問題を,地域生態論や経済立地論等の枠組みから解明する.その際,日本・アジア・ヨーロッパ・アメリカ等におけるさまざまな地域を適切な空間スケールで取り上げて実態分析に取り組んでいる.
極地から熱帯まで広く地球上の陸域を対象に,山地・河川・海岸などの地形が形成される過程,また予測される将来の地形変化に関して,野外調査・観測および室内実験の両方から研究している.
フィールド調査を基本とし,水文・気象・生態学的な観測機器,安定同位体や放射性同位体などのトレーサーを利用して,水の循環過程(降雨-流出,蒸発散,地下水涵養,土壌水浸透など)とそれに伴う物質(汚染物質,無機溶存成分,二酸化炭素など)の輸送現象を取り扱っている.
現地での観測,種々の気象データ解析およびモデルを用いた数値シミュレーションの手法を用いて,局地スケールからグローバルスケールまでのさまざまな気象・気候現象に関する研究を行っている.
地理情報システム(GIS),リモートセンシング,およびフィールドワークによって,地球表面の自然的・人文的現象をデータ化・解析し,地域の特性・構造,生態系,環境変化等を明らかにする.自然環境と人文現象に関する諸資料の入手と作成の方法,各要素の相互影響関係の調査法,それに基づく環境評価・予測法,および地理情報システム(GIS)を活用した地域分析手法や空間的モデリングに関する研究を行っている.
フィールド調査を中心に,GIS・画像解析,放射性核種・元素分析等を通じて,土壌・森林・河川などの変化しやすい地球表層の自然環境を動的に解析する.とくに,人間活動による動態変化の評価を行う.
水文気象観測データの解析,野外観測,実験などのデータや方程式系に基礎をおく数値モデルを用いた数値実験,衛星画像などリモートセンシング技術を用いた実態把握などの方法により,陸域での水循環現象とその長期変動を取り扱っている.
海洋と大気をひとつのシステムとして捉え,海洋と大気における個々のプロセスを十分に理解した上で,大気・海洋結合モデル(気候モデル)などの数値モデルを用いて両者の相互作用を研究する.