「水文学」 (共立出版, 2008)の書評リンクです.
「...本書を読んでいて心地よいのは何といってもその一貫した,しかも要を得た論理である.....本書では,こうしたあまたの手法が,拠って立つ原理,必要なデータの種類等に応じて,一つ一つ階層的に位置づけられている....」
「...単に専門書として高い完成度を有しているだけでなく,水文学の教科書空白期間を経て,漸く「使える」日本語の教科書が出来たという感がある。...」

「...本書は,厚くて,高くて(出版社の努力により原書と同程度の値段に抑えられているが),数式がいっぱいという,売れない本の特徴を十分に兼ね備えた本である.しかし,それ以上に,本書の読破は水文学の征服を意味するような快感を与えてくれるだろう....初学者にもわかりやすいよう配慮された図や章末に配されている膨大な数の練習問題は,水文現象の基礎過程の理解を大いに助けてくれている....」

「...本書には、水文学に携わる研究者や教育者が知っておくべき「科学的基礎事項」が網羅されている。総合や学際といった言葉が重宝され、大学や大学院において「基礎」教育が疎かになりつつある昨今、基本に立ち返ることの重要性にハッと気づかされるような良書である。...」
「..これさえ読めば,最新の水文学全般が理解できるという和書が得難い中,きわめて貴重な一冊...入門者が概観をつかむためにも適していると同時にかなり,専門的な知識も網羅しているため,ある章について専門的に理解したいと考える方にもおすすめ...引用文献がかなり豊富なため,最新のhydrologyの成果を容易にレビューできる」
「本書の特徴として,....著者が単独で記述し,...著者と共同で...発表してきた訳者が翻訳...このことが,本書の内容の一貫性が十分確保されていることの理由の1つ...水文学のみならず農学,工学,環境科学などの関係分野の研究者や技術者が水文学を体系的に学ぶ上で有用であることは間違いが無い....」