三次元プリュームモデルに基づく暑熱環境評価モデルの開発

  • 猪狩 浩介, 2016: 三次元プリュームモデルに基づく暑熱環境評価モデルの開発 .

近年、都市開発による熱環境の悪化が問題となっている。よって、それぞれの都市や地域で効果的な対策を検討する必要がある。その一つの対策として、環境アセスメントの実施がある。環境アセスメントにおける調査要素は様々あるが、現在熱環境に関する項目はない。しかしながら、近年の都市計画において熱環境は最も重要なテーマの一つと考えられており、実際に項目として定める動きがある。よって、環境アセスメントでの調査・議論に必要なモデル開発を行なっておくとよい。気象分野や建築分野では、熱環境評価モデルを様々開発しているが、どれも環境アセスメントで使用できるようなモデルではない。本研究では、熱環境に関わる全ての要素を総合的に考慮し、かつ環境アセスメントでも利用可能なほどに簡易的なモデルの開発を目的とした。本研究で使用したモデルは、放射の推定式、Force-Restoreモデル、そしてプリュームモデルである。まずは、観測結果と比較することでそれぞれのモデルの検証を行なった。それによって、放射モデルの時間変化や地表面の温度や時間変化、熱が輸送拡散することによる気温が再現できることを確認することができた。そして、それらによって構築された簡易的なモデルを用いて、建物や土地利用に対する都市の暑熱環境への影響を評価する数値実験を行ない、気温や時間変化が表現できているかを確認した。その結果、地表面温度や顕熱フラックスの時間変化の計算が可能になり、それによる気温の時間変化も追うことができた。また、緑地と市街地での気温の昇降の違いも表現することができ、最高気温では緑地よりも市街地の方が0.4℃高く、最低気温では0.2℃低い結果となった。鉛直方向への熱による気温への影響も確認することができ、総合的に妥当な結果を再現することができた。さらに、領域内に建物を1つ建てた場合の実験では、それに加えて建物によって生まれる影の影響や蓄熱なども再現できた。

キーワード: 都市熱環境、環境アセスメント、プリュームモデル、熱輸送拡散