ウィンドファームを対象とした風況モデル開発

  • 佐藤 拓人, 2015: ウィンドファームを対象とした風況モデル開発 .

要旨

近年日本では再生可能エネルギーが注目を集めている。その中でも風力発電は、エネルギー源が枯渇しないことなどから特に注目されている。日本ではウィンドファーム形式で風力発電を行っている箇所が多く、そのような発電形態の場合、環境場のみならずウィンドファーム内の風況が発電量に大きく影響する。そのため、ウィンドファーム内を対象とした風況モデル開発が関心を集めてきている。本実験では、x-z2次元の気象モデルに、風車後流モデルを導入した風況モデルの開発を行った。また、モデルの信頼性を確認するため、先行研究と比較して風速の鉛直プロファイルの検証や熱的局地循環、重力波の水平伝播など力学的・熱的ないくつかの検証実験も行った。そして、実際の風況を再現する実験として、領域内に風車を1本および2本設置した実験を行った。まず、風車に流入する風の風速を変化させた実験では、風速が大きい方がより風速が減衰する領域が広がる結果が得られた。地表面の粗度を陸面と海面のものに変更した実験では、海面の場合の方が若干減衰領域が大きく評価される形になった。これは粗度が変わったことで地表面近くの風速の様子や鉛直プロファイルが変わったためであると考えられる。しかしながら、洋上と陸上に大きな差はなく、風車後流に関して言えばどちらかに優位性があるとは言えない結果となった。最後に風車を2本配置し発電量の減衰率を確かめた実験では、一般的に言われているロータ直径の10倍という距離間隔を空けても、発電量が大きく減衰してしまうことが確認された。

キーワード: 風力発電 気象モデル 風況モデル 風車後流