研究室の特徴

自分に合った研究をのびのびと

 日下研究室が主とする研究テーマは身近な気象・気候です。身近な気象・気候とは比較的小さなスケールの現象のことで、局地気象や都市気候に力を入れて研究しています。身近な現象には多くの先行研究があるため、これ以上研究する余地がないと思われるかもしれませんが、まだまだやることはたくさんあります。例えば、都市気候というと夏のヒートアイランドによる豪雨を想像するかもしれませんが、実は都市と豪雨の関係はまだはっきり分かっていません。日下先生は都市気候やシミュレーションの世界的な研究者ですから、経験が豊富で、日々の研究において様々なアドバイスをしてくれる一方で、先生も知らないことがたくさんあります。「研究」とは今まで分からなかった事を明らかにすることです。あなたの研究テーマはあなたが主体となって、先生や仲間と取り組むことになります。

 未知への挑戦は身近な気象・気候に留まりません。「天気図の範囲内なら基本的に何でもOK」というのが先生の研究守備範囲です。観測器を持って野外で活動する人もいれば、数学とにらめっこして自分だけのシミュレーションモデルを開発する人もいます。変わったところでは天気が人体に及ぼす健康影響評価や風車の研究をしている人がいます。日下研究室は自由度が高い研究室といえます。日下先生のフレンドリーさと自由な研究テーマが相まって、日下研究室にはたくさんの学生が様々な興味を持って集まってきます

 自らが主体の研究というのは決して難しい事ではなく、自分のやりたい研究を自由に出来るということです。かと言って放任主義ではありません。月1度の面談や班・チームのミーティング、さらにはブラザー・シスター制度によって学生が孤立しないよう配慮しています。研究室への配属にあたって研究テーマを決めることになりますが、決して先生から「これをやれ」と言われることはありません。本人の希望を第一に先生と相談して決めます。「○○についてやってみたい」なんて曖昧な興味でも大丈夫です。小さなきっかけを大きなテーマへと育ててゆくのです。

共同研究で活躍の場を広げる

 おそらく日下研究室の最大の特徴は豊富な共同研究です。国内をはじめとして海外や民間企業と共同研究を行っており、プロジェクトを立ち上げて社会的重要性の高い課題の解決に取り組んでいます。プロジェクトには先生だけでなく学生も積極的に参加することで、研究テーマの専門性を高めると共に、将来の研究者、社会人としての人材を育てます。研究室には毎日のようにプロジェクト関係者が訪れるため活気があります。もし気になるプロジェクトがあれば、門は常に開かれているので相談してください。「今日学んだ知識は明日プロジェクトで使う」のが日下研究室です。

 国内における共同研究は学内外の他研究室にはじまり、政府機関や地方自治体とも精力的に行っています。例えば、多治見市とヒートアイランド現象の原因解明・対策提言などを行う連携協定を結び、大規模な観測を行いました。また、民間企業との連携は気象分野ではめずらしく、民間企業からの高い信頼を感じます。気象関連会社はもちろんのこと、電気機器メーカーや卸売業など、これからの気象サービスのあり方を支えていく企業とも研究しています。

 海外の研究機関との共同研究も活発に行っています。WRFの開発機関であるNCARとの繋がりは今も強く、他にも台湾やベトナムといったアジア各国との連携も精力的に進めています。これまで日下研究室では5ヶ国から留学生を受け入れており、これからその数はますます増えて行く予定です。

 このように共同研究が豊富に行われているのは、日下先生の人柄も然る事ながら、日下研究室の先進性と社会的ニーズを重視した研究姿勢が評価されているものだと思います。詳しくはプロジェクトのページを御覧ください。

個性豊かなメンバーと楽しく

 日下研究室には30名を超すメンバーが所属しており、学内からの進学者の他に他大学や海外からの留学生を積極的に受け入れています。そのため個性豊かなメンバーが多く、ゼミでは様々な切り口から意見が飛び交い、歓迎会などのイベントでは大いに盛り上がります。また、他研究室と比べて博士課程の学生や研究員が多く、学類(学部)3年次で配属されたメンバーの90%が修士過程へ、20%が博士課程へ進学しています。他では見られない驚異的な進学率です。日下研究室で長く研究を続ける理由は何故でしょうか。研究テーマに高い志を抱いているのはもちろんのこと、それを支えるメンバーとの交流やプロジェクトによって得られる充実した研究生活に包まれているからです。

 研究室最大の財産は人であり、メンバーが生み出す知識と経験は後輩へと受け継がれ、多くの先輩が日下研究室に満足して卒業していきます。成立からまだ6年と短い期間にも関わらず30余名ものメンバーに慕われ、学生が20本以上の査読付き論文や20件以上の国際会議発表の成果を残したことはすごいですよね。成果は海外共同研究や国際協力の場で提供したり、留学生への指導でも活かされます。人との繋がりを大切にして"世界のKUSAKA Lab."を目指しています。

進路について

 研究室には様々なタイミングで配属になりますが、上記にもあるように、学類3年次で配属されたメンバーの90%が修士過程へ、20%が博士課程へ進学します。大学院修了後はメンバーの50%程度が気象関係の仕事に就き、研究室での経験を活かした活躍を見せています。これは非常に高い値であり、気象のプロを目指してがんばる学生が大勢います。さらには、交通、IT、経済といった気象の要素を多分に含む異分野へも進んでいます。日下研究室には進路を開拓してきた30名以上のOB・OGがいますので、困ったときは彼らに相談するのが良いでしょう。

 日下先生は進路についての相談にも機嫌よく応じてくださいます。先生自身が民間企業出身の研究者であるため、常日頃から将来の進路を見据えた実践的な指導を行います。これは研究室の運営によく見て取ることができ、事事項ごとに学生がリーダーとなって運営に参加します。 責任がありますが、自分たちの手で作り上げる研究室は進路の選択にも大切なことだと捉えています。

 

(文責:高橋一成)