降水シミュレーションに対する雲物理モデルの影響評価

  • 大矢 麻奈未, 2008: 降水シミュレーションに対する雲物理モデルの影響評価 .

 低気圧が北陸の日本海沿岸に豪雪をもたらした事例を対象に、WRFモデルで用いられる雲物理モデルの違いが予報精度に与える影響について検証した。雲物理モデルとしてWSM6(水蒸気、雲水、雲氷、雨水、雪、あられの混合比を予報する)、WSM5(WSM6からあられの予報を除いたもの)をそれぞれ使用し、WSM5とWSM6で水物質の変換過程(生成・消滅)を調べてみると、雲が山岳域を越える前と越えた後では両モデルに大きな違いが表れることがわかった。日本海側山岳斜面で、WSM5では水蒸気から雪への拡散成長が主であったのに対し、WSM6では過冷却雲水から雪・あられへのライミングが表現されていた。また、WSM5では山岳を越えるときにWSM6よりも降水量が少なく評価され、山岳を越えた後の内陸山間部にはWSM5の方が水物質が多く運ばれていた。