オープンスペースで実施した定点観測によって捉えられた夏季晴天日におけるつくば市のヒートアイランド:都市内外の気温差に関する不確実性の評価.

  • 日下博幸, 高根雄也, 阿部 紫織, 高木 美彩, 重田 祥範, 大橋 唯太, 布和 宝音, 2012: オープンスペースで実施した定点観測によって捉えられた夏季晴天日におけるつくば市のヒートアイランド:都市内外の気温差に関する不確実性の評価. 日本ヒートアイランド学会論文集, 7, 1-9, 2012/07/27(受領日) (謝辞:科研費 若手研究B, 科研費 基盤研究B, RECCA) (被引用回数:(web of science:0回 google scholar:0回)) .

 本研究では、中規模都市における夏季夜間のヒートアイランド現象とヒートアイランド強度の評価を目的として,茨城県つくば市の公園・校庭・公民館からなる合計25カ所の観測地点において,2008年8月の一ヶ月間,気温の定点観測を実施し,その中で高気圧に覆われた8月6日9時から8日9時のデータを解析した.さらには,地点選択に伴う都市と郊外の気温差の不確実性について評価した.本研究から得られた結果を以下にまとめる.

(1) つくば市のヒートアイランドの中心は,つくば駅付近であった.これは,つくば駅周辺が最も都市化が進んでいる地区であることと整合的である.また,つくば駅付近の次に気温が高いのは,研究学園駅付近とつくば市と土浦市の境界付近であった.これは,研究学園駅周辺も近年開発が進んでいること,つくば市の南部には中規模都市である土浦市が隣接しているためだと考えられる.

(2) 筑波大学陸域環境研究センターで観測された接地層内の気温の鉛直分布とつくば市中心部で観測された地上気温から,つくば市中心部の逆転層は郊外に比べてかなり弱いことが分かった.

(3) 郊外の代表4地点における夜間の地上気温はほとんど同じであった.一方,中心部の代表4地点における夜間の地上気温は,時間帯によっては1℃以上異なっていた.このことは,夜間の都市内の気温差は,都市と郊外の気温差と同程度になりうることを意味している.

(4) 都市内の特定の1地点と郊外の特定の1地点の組み合わせ毎に気温差を調査した結果,選択地点に伴う都市と郊外の気温差の不確実性の幅は2.3℃に達することが分かった.

(5) 観測地点の環境が異なる大清水公園と土浦学園線の間には,夜間1.5℃前後の明瞭な気温差が認められた.この気温差は,建物や自動車排熱の有無の違いによって生じたと考えられる.

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